2021年10月1日からは従業員が直接健康保険証を受け取ることが可能に。注意点をチェックしよう

これまでは「会社に届いたものを従業員に渡す」が通常の扱い

日本は「国民皆保険」といって、原則として全員が何らかの公的医療保険に加入しなくてはいけません。そして、病気やケガで医療機関を受診したとき、健康保険証を見せることで、窓口負担分がかかった費用の3割(公的医療保険が適用される治療の場合)になるという仕組みです。

そして、自営業・フリーランスの人や、無職の人は国民健康保険に入りますが、会社員・公務員など「どこかに勤めて給料をもらっている人」は勤務先の健康保険(協会けんぽ、共済組合など)に加入することになります。国民健康保険の場合、住所がある市区町村役場の担当部署に行けばすぐに健康保険証を受け取れることがほとんどですが、勤務先の健康保険組合に加入することになる人の場合はやや事情が違うようです。

これまでは、1)社会保険の資格取得手続きを行うと、協会けんぽ等の健康保険組合から、被保険者である従業員の健康保険証と、被扶養者となる扶養家族の健康保険証が事業所に届く、2)事業所=オフィスに届いた健康保険証を、担当者が従業員に渡す、という流れで健康保険証の受け渡しが行われてきました。

テレワークが普及しているのに健康保険証のためだけに出向くのも…

しかし、長引く新型コロナウイルス感染症の影響により、政府は経済同友会や日本商工会議所などの経済団体に「テレワークの徹底による出勤者の7割減」を求めています。その影響は「健康保険証の受け取り」にまで及んだようです。

厚生労働省保険局は、令和3年8月13日に「健康保険法施行規則及び船員保険法施行規則の一部を改正する省令(令和3年厚生労働省令第140号、以下「改正省令」)」を交付し、同年10月1日から施行することを発表しました。

参照;https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T210816S0030.pdf

簡単に言うと、協会けんぽなどの健康保険組合が所定の手続きを経て決定したのであれば「一度事業所=オフィスに健康保険証を送り、従業員に取りに来てもらう」というプロセスを踏むのではなく「直接、該当する従業員のところに郵送する」という形で進めることも可能になったという意味です。

たしかに、テレワークを実施するように国が旗振りをしているのに「健康保険証を受け取るためだけ」にオフィスに出向くのも矛盾した話でしょう。そうなると、このような改正がなされるのは極めて妥当と考えられます。なお、具体的にどのように事務処理を進めることになるかについては、それぞれの健康保険組合から通知がなされるはずです。社会保険労務士などの専門家とも連携し、スムーズに手続きを進められるよう、社内の整備を行いましょう。

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